史野 根生(大阪行岡医療大学 教授)
特別講演
前十字靭帯手術において、長きにわたり世界をリードしてこられ、現在もなお世界の最先端を走り続けておられる史野根生先生をお招きし、 これまで一貫してブレることのない根底に流れる哲学と、今までの創意工夫、イノベーションについて初めてご講演いただきました。
- 講師
史野 根生(大阪行岡医療大学 教授)
前十字靭帯再建術は、欧米主導で、施行されてきたが、その内容は正常解剖を模倣するという概念から、程遠いものであった。しかしながら、それらの正常靭帯付着部と異なる部位に設置された(非解剖学的再建術)後の成績が、(医師立脚型評価にて、) 好成績――という論文が多数発表され、後続の我々に大きな影響を及ぼしてきた。このような矛盾に演者が気付いたのは、前世紀末のことであった。 今世紀初頭になり、正常靭帯付着部を明らかにし、移植腱の配置を最適化し、ようやく解剖学的再建術と呼べるものになったように思われる。今後、初期張力、術後リハビリテーションの最適化、術式のさらなる成熟を目指してゆきたい。
- 講演の様子
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SPECIAL PRESENTATION